朝ドラ「ひよっこ」第4週 第22回レビュー

旅立ちのとき4

今日の物語

朝、谷田部家

1965年(昭和40年)3月15日。

ナレーション「奥茨城にも遅い春がきました。今日は卒業式です。」

みね子は、箱のまま閉まっておいた新品の靴を出します。

みね子の心『お父さん。覚えてますか?お父さんが東京で買ってきてくれた新しい靴。今日はその靴を履いて卒業式に出席します。』

みね子「どう?似合うけ?」

美代子「うん!かわいいね!」

みね子「本当?」

美代子「お父ちゃんがみね子のこと考えながら買ってくれたんだね、きっと」

みね子「…うん…♪♪」

みね子「じゃあ、お母ちゃん。行ってくる」

美代子「うん、行ってらっしゃい。気を付けてね」

玄関を出て歩き出したみね子の後姿を見つめながら、美代子はつぶやきます。

美代子「こうやって言うのも最後なんだね…」

谷田部家の近くの道

みね子が自転車で走り出すと、ちよ子と進が田んぼで遊んでいました。

みね子「ちよ子!」

ちよ子「?」

みね子「お姉ちゃん、東京に行ったら、これ(自転車)あんたのだから」

ちよ子「え?本当?」

みね子「うん、大事にすんだよ」

ちよ子「わかった!大事にするよ」

みね子「じゃ行ってくんね!」

ちよ子「行ってらっしゃい!」

進「行ってらっしゃい! ちー姉ちゃん、ずるい!」

ちよ子「うるさい」

みね子「じいちゃーん!行ってくんね!!」

みね子は自転車をこぎながら、畑仕事をしている茂じいちゃんにも大きな声で挨拶をします。

茂「おう!気をつけてな!」

ちよ子「じいちゃん!お姉ちゃんが、私に自転車くれるって!」

茂「そうか!それはよかったなあ!」

みね子「今日までありがとう。あんたのおかげで、毎日の通学が本当に楽しかったよ♪」

みね子は自転車のハンドルをポンポンとたたきます。

時子の家

時子「では、行ってきます」

君子「本当にいいの?お母ちゃん行かなくて!」

時子「いいって言ってるよ、何度も~」

君子「お母ちゃん、今からでも支度…」

時子「いいって!もう!」

出かけようとする時子の腕をつかんで止め、君子は時子の襟元を直しながら…

君子「…今日で最後なんだねえ…学生生活もねえ…」

時子「…」

豊作「母ちゃん、遅刻しちまうべ。早く行け、時子」

時子「じゃ…行ってきます!」

時子の家の前

家を出た時子はいつものように立ってみね子を待ち、いつものようにみね子が自転車でやってきました。

自転車から下りたみね子の靴が新しいことに、時子はすぐ気づきます。

時子「あ!靴!」

みね子「へへ、いがっぺ??♪」

時子「うん、かわいいね♪」

三男の家の前

三男「行ってくる」

征雄(父)「うん」

太郎(兄)「おう、やっと卒業か」

三男「うん」

きよ(母)「…さっさと帰ってきて手伝え、今日は忙しいど」

きよは、脚立にのって作業をしたまま言います。

三男「うん」

三男は少し歩いて振り返り、家族3人に向かって大きな声で挨拶します。

三男「今日までありがとうございました!!!!行ってきます!!!」

きよは目を丸くして驚き、バランスを崩して脚立から落ちてしまうのでした。

バス停

いつものようにバスがやってきました。

三男「おはよう、次郎さん、小太郎さん」

次郎「おはよう、三男」

小太郎(運転手)「おう」

そして、まだバス停に到着していないみね子と時子のために、三男は今日も怒られながらバスを停めます。

次郎「早く乗れ~!出発すっと!」

三男「ごめん!もう来るから!ね!」

次郎「またかお前らは~!毎朝毎朝!このこじゃっぺが!」

時子とみね子は小走りでバスに乗り込みます。

バスの中

時子「泣くよ、みね子は絶対」

みね子「泣かないよ」

三男「泣くな」

みね子「泣かないって。泣かないようにしようって決めたんだから」

時子「そんでも泣く」

三男「泣くな、間違いなく」

みね子「泣かないって!もう!時子はどうなのよ」

時子「私は泣かないよ」

三男「いや、泣くな」

時子「あ?三男はどうなのよ」

三男「俺は泣かねえ」

時子「絶対嘘だ」

みね子「三男!今日の私、どっか違うでしょ?いつもと♪」

みね子は座ったまま足踏みをして靴を見せます。

三男「…?…わかんね」

時子「…だめだねえ…茨城の男は…」

みね子「んだね!」

三男「え?」

みね子「靴が違うでしょ!?靴が!」

三男「おう?そうか?」

みね子「ダメだ!」

次郎「あーあ、奥茨城の3バカ高校生乗せるのも今日で最後か~」

みね子「ちょっと~3バカって何よ~二郎さん」

時子「そうだよ~1バカでしょう」

三男「誰だ、1って…あ、みね子か?」

みね子「なんで私なのよ!三男でしょ?」

時子はクスクス笑います。

みね子の心『お父さん。私は泣かないようにしようと決めたんです。お父さんに頂いた時間、高校生活最後の日を泣いてしまってよく覚えてねえみたいにしたくねえと思ったんです。全部ちゃんと見て、心に刻んでおこうと決めたんです。お父さんやお母ちゃんやじいちゃんにもらった大切な時間だから』

谷田部家の畑

みね子の卒業式が始まった頃、美代子や茂は畑仕事をしていました。

美代子「そろそろ始まった頃ですかね…卒業式…」

美代子は、「仰げば尊し」を口ずさみます。

すると、どこからか他の誰かが歌う「仰げば尊し」が聞こえてきます。

君子も同じ歌を口ずさみながら、美代子の元に遊びにきたのです。

君子「つまんないから来た、ふふ」

すると、またどこからか誰かが歌う「仰げば尊し」が聞こえます。

今度はきよでした。

きよ「はは。なんか、来ちまった」

美代子「うん、嬉しいよ!」

谷田部家

美代子たち母親3人は家に入り、お茶を飲みます。

谷田部家の柱には、みね子やちよ子や進が幼い頃から身長をはかった傷がたくさんついています。

美代子「でも、嬉しいよ。時子ちゃんと三男くんと一緒で…安心だ」

君子「それはうちも一緒だよ。本当に良かったよ」

きよ「んだな。あのバカが一人でやってっけかどうか分かんなかったから…ありがてえよ、一緒にいてくれて」

君子「春からも、こうして3人で集まろうよ」

美代子「うん!」

君子「ね、きよさん!」

美代子「きよさんだって、たまには泣きたいでしょ?」

きよ「…ありがとう…。…私、あんたらみたいに優しい母親でねえから…三男もいっつも「さっさと働け」しか言わねえ母ちゃんのこと、そんなに好きでねえだろうし…」

美代子「え?そんなことねえよ」

きよ「あるって。だって…そう思われようとしてきたから…嫌われるくらいのほうがいいだって…そう思ってきたから…」

美代子・君子「…?

きよ「あいつは、生まれた時から体弱くてよ、でも三男坊だし、いつかうちを出てかなくちゃなんねえから…、甘ったれだとそんなことできなくなっからよ。だから…なんつうか……、突き放してよ…。ああ!こんな家出てって清々した!…そう思うくらいの方がいいんだって…。だから私、文句ばっかし言って…「おめえはここを出てくやつなんだ!」って…。…そんなことばっかし言ってよ……優しくしてやんなかった…優しく……だから……だからあいつは…母ちゃんのこと嫌いなんだ…」

きよは涙をこぼします。

美代子「そんなことあるわけねえよ!きよさん!」

君子「うん!ねえよ~!」

美代子たちももらい泣きします。

きよ「そうけ…?そうけ…?母ちゃんに…母ちゃんに会いたいと思ってくれんだっぺか?」

美代子「当たり前だっぺ!」

君子「三男くんだってちゃんと分かってるよ!」

きよ「ありがとう…ありがとう……」

美代子「みんな、大きくなっちまったなあ…」

3人は体を寄せ合って涙を流します。

みね子の心『お父さん。まさか、お母さんたちが集まって、大泣きしているとは思いませんでした。…私?私ですか?もちろん、最後まで笑顔で、泣いたりしませんでしたよ♪』

みね子の学校の教室

みね子の心『……すいません、嘘でした。やっぱり無理でした』

みね子はその頃、卒業式が終わり泣いていました。

みね子「…3年間ありがとう…東京で頑張ろうね…」

時子「うん!大丈夫!私がいるから!」

みね子「うん!」

時子も涙をぬぐいます。

三男は号泣しています。

みね子「へへ…泣くな、男のくせに」

三男「泣いてねえよ…!」

みね子の心『お父さん、高校生活をありがとうございました。みね子は幸せでした』

つづく

今日のあさイチ受け

いのっち「東京行くのかな。明日くらいから」

有働さん「あ、そうなりますね」

いのっち「今日はちょっと女子3人が集まっちゃってね」

有働さん「ね。お母さん側の気持ちになりますよね、やっぱりね」

いのっち「お父ちゃん・お母ちゃん・じいちゃんにもらった大切な時間っていうセリフが染みましたね」

今日の感想

今日もちょっとだけど泣いてしまった!(毎日言ってる・笑)

今日は、三男のお母ちゃんが三男のことを話してるとこで泣きました。

まさか きよさんにまで泣かされるとは…!

きよさんは、そんな風に思っていたんですね…。

きよさんだけ、いつも「働け」ばっかりで、嫌な親だな~と思ってたんですけど(聖火リレーでちょっと見る目は変わったけど)、あれですねぇ…やっぱり人の心は、ちゃんと付き合って話してみないと分かりませんね。

きよさんが「母ちゃんに会いたいと思ってくれんだっぺか?」が一番泣けてきました。

もしかしたら3人のお母ちゃんズの中で、一番弱いのはきよさんなのかもしれませんね。

子供たちが卒業式で泣いてる時に、子供たちが知らないところでお母ちゃんズも負けず劣らず号泣してるっていう展開が良かった。

みね子の靴かわいかったですね。THE学生って感じの初々しさを感じました。(卒業だけど)お父さん、男なのにセンスいいよね…高校3年生でお姉さんになっただろうからって運動靴じゃないのを買うとこが。

一瞬で靴に気付く時子と、全然気づかない三男が面白かったです。

三男、鈍感すぎ(笑)!

みね子と三男の掛け合いはいつもかわいいですね。

卒業式の日というのを、1話まるまる使った今日の話はすごく良かったですね。

ひよっこが始まって4週目なのに、回想シーンとかジーンとしました。

あと、「いつもの朝」をすごく丁寧に描いていたのが、余計に「ああ…これで最後なんだ…」って寂しさが強調されてるように思いました。

どこの家庭もそれぞれ「子供の門出」「親への感謝」があったと思います。

なんか…卒業式だからって特に親になんの感謝もせず友達とワーワー言って終わった記憶しかない自分を呪いました……親、ごめん…(^^;)

いよいよ明日からは、新しい旅立ちになりそうですね!

ドキドキします!

奥茨城の広々した景色ともお別れかなぁ…。毎日この光景がすごく気持ちよかったので、都会に出るとちょっと寂しくなるなぁ…。

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コメント

  1. るんるん より:

    登場人物の心の描写がすごく細やかなドラマですよね。親の思いって、きっといつの時代も変わってないけど、あの時代だからの葛藤が見えてきますね。
    うちの叔父もちょっと時代は後ですが、中卒で遠方に出たことのある人だったので、祖父母はこんな感じで見送ったのかなぁ?と思ったり。残念ながら、短期間で「迎えに来てください」と会社から連絡がきたそうですが・・・行ってみたら、同じような親御さんがいっぱいいて、ドラマの中で田神先生が言っていたように「金のたまごと、もてはやされても・・・」だったみたいです。

    それにしても、序盤から毎日泣かされてばかりでは、これからどう盛り上げるんだろう?と心配になりますね(笑)

  2. かるび より:

    いそまるさん。今日も泣きました(笑)いつも泣いています(笑)。
    三男が家族に挨拶したところや、母親達が子供を思って泣いているところ。
    みんな農家だから忙しくて卒業式に出る時間なんてないんですね。でも遠くで思ってる。
    三人は仕事も手につかなかったんでしょうね。まだ始まって1ヶ月も経っていないのにみね子達の三年間を見守ってきたかの様な錯覚!すごい!ひよっこ!すごいです!
    もう東京編になってしまうんでしょうか。ちょっとさびしいですね。

  3. いそまる より:

    るんるんさん
    そうですね、今は働き手として東京に行かせるとか(一般的には)聞かないですもんね…。親もつらいですよね…。
    身近な方にそんな経験された方がいらっしゃるんですね。そうなんだぁ…みね子たちも「金の卵ともてはやされても」なんでしょうか…ちょっと心配です。
    三男んとこも大丈夫かなあ…。
    ほんとに、こんな序盤から毎朝泣くって何事!?と、びっくりですよね!?
    失速せず、もっと良いドラマになっていってほしいですね♪

  4. いそまる より:

    かるびさん♪
    そうそう!「今日も泣きました」の連続ですよね!(笑)私も夫に「え?昨日も泣いたって言ってなかった?え?っていうか、毎日泣いてない?」と言われました(笑)
    お母さんたち、結局仕事が手につかなかったんですよね、卒業しても家にいるって分かってるなら、いつも通り仕事ができたかもしれないけど……。
    そう!私も、みね子が高校生活(というか、1話からこの日までのこと)を回想した時、ぶわーって泣きました!
    1か月しか見てないのに~!って思いながら(笑)
    東京編はどうなるんですかね。奥茨城の風景を見ることが少なくなるのが本当に寂しいです。