朝ドラ「ひよっこ」第17週 第102回レビュー

運命のひと6

今日の物語

すずふり亭の裏の広場

先にあかね荘を出た川本世津子が外に出ると、買い物から帰ってきた愛子とすれ違います。

愛子は、川本世津子だと気付いたようですが、声をかけずに道をゆずります。

愛子が持っていた紙袋が破れ、買ってきた品がバラバラと地面に落ちてしまいます。

愛子が慌てて拾い集めていると、川本世津子が戻って来て一緒に拾ってくれました。

愛子が買った石鹸を拾い、世津子は「私もこれ使ってます。いいですよね」と話します。

愛子「え?本当ですか?いいですよね、これ。安いのに…♪」

愛子は、川本世津子の顔をじっと見つめます。

何か気になるようです。

世津子は少し気まずそうにしながら、広場を出て行きます。

ぼんやりしていた愛子は、また品を落としてしまいます。

そこに、すずふり亭の裏口から鈴子が出て来ました。

鈴子「愛子ちゃん。何してるの」

今度は鈴子が石鹸などを拾ってくれました。

鈴子「あら、これ 私も好き♪」

鈴子もまた その石鹸を使っているようです。

そして鈴子は、心配そうにあかね荘の2階の窓を見上げます。

愛子「…どうかしました?鈴子さん」

鈴子「…さっきね、あの人が来たのよ。みね子を訪ねて」

愛子「女優の、川本世津子さん!?」

鈴子「そうそう…。みね子のアパート教えたんだけど…なんか…彼女の様子が…妙にひっかかって……」

愛子「私も…!あ…、たった今、帰って行かれました」

鈴子「そう…」

愛子「…悲しい目をしているなって…ちょっと思って…」

鈴子「そう…そうよね…」

あかね荘の外階段を、みね子が駆け下りて来ました。

みね子「あ!どうかしました?」

愛子「出かけるの?」

みね子「はい。…川本世津子さんのお宅に…」

鈴子「お宅に?」

みね子「はい…なんか、会わせたい人がいるって…」

愛子「誰…?」

みね子「分かんないんです。通りで車で待ってるって」

鈴子「そう…じゃあ、行かなくちゃ…」

愛子「みね子さん…大丈夫?」

みね子「いや…全然分かんなくて…ちょっと怖いけど…。でも、世津子さん、いい人だし」

鈴子「そうね」

愛子「気を付けて」

みね子「はい、行ってきます」

鈴子と愛子は、ベンチに座って少し話すことにしました。

鈴子「…十分 嫌なことを味わってきたからね…あの子は…」

愛子「はい…そうですね…」

鈴子「……お父さんのことに始まってね…」

愛子「ええ…」

鈴子「もう…つらいことないといいなぁ…」

愛子は深く頷きます。

鈴子「…なんか心配だね…東京の母としては…」

愛子「…はい、私も心配です。東京の姉としては」

鈴子は少し微笑みます。

愛子「…なんですか?」

鈴子「ふふ…♪」

愛子「…鈴子さんは、みね子さんのお父さんにお会いになったこと あるんですよね?どんな方だったんですか?」

鈴子「…真面目で、働き者で、家族思いで…。で、すごく、きちんとされてた」

愛子「……そうですか…」

世津子のマンション

一方 みね子は、世津子が住むマンションに到着。

奥茨城にはない 大きなマンションです。

そして 世津子の部屋に案内されます。

世津子は先に部屋の奥に入っていきます。

少し緊張しているみね子は、ゆっくりスリッパに履き替え、世津子が行った方に進もうとします。

その時、奥から話し声が聞えました。

世津子「ただいま」

男性の声「あ、おかえり」

みね子の全身が、その「おかえり」と言う男性の声に反応します。

聞き覚えのある声です。

世津子「雨男(あめお)さん。今日はお客さん連れてきた」

雨男と呼ばれている男性「え?珍しいね。いや、初めてか」

その声は、お父ちゃんの声なのです。

お父ちゃんの声とそっくりなその声に茨城なまりは無く、標準語を話しています。

しかし、まぎれもなくお父ちゃんの声なのです。

世津子が住む部屋は、マンションですが2階造りになっていました。

声がする方に向かって、みね子が階段を下りていくと、世津子の姿が見えました。

世津子「どうぞ…」

みね子は、驚きと どこか恐怖を感じている瞳で世津子を見つめ、そして お父ちゃんの声がする方へ視線を映します。

そこにいたのは、まぎれもなく お父ちゃんでした。

世津子の趣味でしょうか、観葉植物がたくさんある室内で、水やりの途中だったのか小さなヤカンをもって立っています。

実父ちゃんは、まるで初対面のお客さんを迎えるように、みね子に向かって微笑み、軽く会釈しました。

みね子「……お父ちゃん…」

実「…?」

みね子は世津子の方を振り向きます。

世津子は、眉間にシワを寄せ、苦しそうな顔をしていました。

世津子「雨男さん…」

みね子「え…?」

世津子「…あなたの、お嬢さん」

みね子「…え…?」

世津子「谷田部みね子さん」

実は、きょとんとして世津子を見つめています。

まったく状況が読めず、みね子の呼吸が荒くなっていきます。

みね子の心を表すかのように、外で雷が鳴り、雨が降り始めました。

世津子「そう…、そして あなたの名前は、谷田部実さん…」

世津子「…あなたのお父さんはね…何も覚えていないの…。昔のこと…。自分の名前も、どこで生まれて育ったのかも。……家族のことも…」

みね子「…嘘だ、そんなの……嘘だ!!!!!」

みね子「だって!お父ちゃんですよ!」

みね子は実の体を触って、世津子に叫びます。

みね子「覚えてないなんて、そんなことあるわけないでしょう!!!」

みね子「ねえ…みね子だよ…!お父ちゃん…!どうしたのよ!なんで そんな顔してんの…!?!?ねえ!みね子だよ!!!」

みね子は実の腕をつかみますが、実は、みね子に少し怯える瞬間さえあるほど みね子のことが分からないようです。

みね子「…お父ちゃん…。…嫌になったんでしょう…?私たちのこと…。それとも、何もかんも…?ひどい目にあわされて、嫌になったんでしょう!?だからいなくなったんでしょう!?そうでしょ!?」

実「…」

みね子「それは私、分かっから!!私、分かっから!!お父ちゃんがここにいたいなら、いいよ…!お父ちゃんがここにいたくて、帰りたくないなら、私……!……会わなかったことにすっから…帰るし……今日のことは忘れっから…それでいいから……生きててくれただけで嬉しいし………お父ちゃんのこと、責めるつもりなんて全然ないから……!全然ないから…!!!

…だから…覚えてないなんて言わねえで……」

みね子は目を真っ赤にして涙を流して訴えます。

みね子「みね子だよ……お父ちゃん……」

実はじっとみね子を見つめ、世津子の顔を見ます。

世津子「……」

再び みね子を見つめ直した実は、自分の腕をギュっとつかんでいたみね子の手を、気をつかいながらほどき、手を離します。

みね子「………」

実はみね子に頭を下げます。

実「…ごめんなさい…」

みね子は、何も言うことができません。

お父ちゃんの顔を見ることも怖くなり、視線を下に向け、目を泳がせます。

世津子「みね子さん…聞いて、お願い…あのね」

みね子「………嫌です!!!嫌です、こんなの!!!嫌です…!!!」

みね子は階段を駆け上がり、世津子の家を出ます。

マンションの前

世津子の部屋を飛び出したみね子は、大雨の中で立ち止まります。

涙がこみあげてきました。

みね子を追いかけてきた実は、みね子を傘に入れてあげます。

しかし、その表情は やはり「お父ちゃんの顔」ではないのでした。

つづく

今日のあさイチ受け

土曜日なのであさイチはありませんでした。

土曜日は録画しといた受けを流してくれないかな!

今日は受け聞きたかったよ~!

今日の感想

大泣きしました。

ドラマ終わってもしばらく 声をあげて泣いてしまいました。

今 2回見ましたが、2回とも大泣きですわ。

今日はあと2回は見そう。

4回とも泣くだろうな…。

なんてつらい現実。

あまりにも 皆がかわいそうです。

なんて酷な脚本書くんだ!!!

かわいそうすぎるよ!!!

今日の展開は、予想通りでした。

お父ちゃんは川本世津子と暮らしているだろうこと、そして、今のお父ちゃんは標準語を話しているだろうこと。

でも、予想が当たっても、全然嬉しくない。

予想はしてたし、それがそのまま映像になっただけなのに、やっぱり役者さんやドラマってすごいな…。想像を越えるつらさでした。

みね子が初めて怒りましたね。

怒ったというか…気持ちが高ぶって、どうしたらいいのか 自分でも分からない状態になったんだと思いますが。

世津子さんに声を荒げていました。

これまで、「出稼ぎが嫌になって失踪する人が多い」と周囲に言われていて、それでも「お父ちゃんはそんなことない」って家族で信じて、だけど「やっぱり 私たちのこと嫌になっちまったのかな…」って悲しんだこともあったみね子。

「お父ちゃんは家族が嫌になったのかな」って思うだけでも、あんなに、あんなに苦しかったのに…なのに「嫌になったなら それでいいから」とまで、みね子に言わせてしまうほどの現実でした。

冒頭で、鈴子さんと愛子さんが、みね子の幸せを祈ってくれている場面では、私も「本当に…」と、一緒に祈りました。

たくさん たくさん みね子には笑っていてほしい。

なのに、こんな現実……。

お父ちゃんに会えたのに、お父ちゃんではなくなっていました。

茨城なまりを聞いても、みね子だよという叫びを聞いても、何も思い出せなかった。

少し怯えているようにすら見える瞬間もありました。

そして、不安になればなるほど、世津子さんを見つめるお父ちゃん。

2人の間に、しっかりした信頼関係があるように見受けられました。

ここまでは予想できても、今後どういう展開になるのか予想がつきませんでした。

来週の予告によると「新しい 家族の物語が始まります」だそうで…このナレーションを聞いて また私は大泣きしました。

家族に「戻る」んじゃなくて、家族を「つくる」の…???

ちょっと…私にとってはショッキングでした。

でも、そりゃ ちゃんと考えれば、失ったものを放っておけるわけないし、「新しく作る」となりますよね…。

でも…あの幸せだった谷田部家が、こんな形でなくなってしまうなんて…。

(本当に、あのひったくり犯が憎い!憎くてたまらん…!!!)

お父ちゃんが記憶喪失だと予想していても、ドラマとしての到達点は「家族が戻る」だと思い込んでいました。

いくらなんでも記憶は戻るだろうという安直な考えです。というか、願望。

みね子がいつも「お父ちゃん」と、心で話しかけていたお父ちゃんが、ちゃんと戻ってくるのだと思っていました。

みね子たちが、お父ちゃんのことを受け入れるのに時間が必要なのと同じように、私も結構 受け入れるのに時間がかかりそう。

お父ちゃん自身も、新しい自分を受け入れるのには時間がかかりますよね…きっと…。

でも、予告では、お父ちゃんと笑い合うみね子たちが映りましたね。

まだ「家族として」笑い合う日までは遠いかもしれないけど、少し安心しました。

絶望しても、かならず朝が来る。絶望しても、前を向いて生きるしかない。そんな風にも思いました。

それに、お父ちゃんは心の優しいまんまみたいですね。

変な輩に付け入られて、優しさまで失っていなかったのは本当に救いです。

一時は、お父ちゃんは悪いヤツに悪いことさせられてるんじゃないかという心配すらありましたので。

今日 鈴子さんが愛子さんに話した「きちんとされてた」というのが印象的でした。

難しい言葉ではなく、「きちんとしていた」という表現。簡単な言葉の中に、すごく色んなことを感じます。

相手に配慮できるとか、人を大切にできるとか、礼儀正しいとか、笑顔がいいとか、いろんなことが「きちんと」にこめられているんだろうな。

きちんとって、すごく品のある良い言葉だなって思いました。

あとね、鈴子さんが「愛子ちゃん」って呼んでいることに なんかキュンとしました。

鈴子さんは、愛子さんのことも とてもかわいがってくれているんですね。

なんだか素敵。

あと、以前に、鈴子さんはみね子に向かって「東京の母として。いや…おばあちゃんか…?」と言っていて、愛子さんはみね子に向かって「東京の姉として。いや、お母さんか…?」みたいに言ってるシーンがあったと思うんですけど、同じようなことを言っていた2人が、こうしてお近づきになって、一緒に みね子を心から心配してくれているというのがね…ジーンときました。

改めて、みね子の周りには、優しい人がたくさんいますね。

つらい現実を見ることになってしまったけど、きっと大丈夫。

そんな風に思えました。

そして、来週のサブタイトルも「大丈夫、きっと」。

(こんな酷なドラマつくっといて、「大丈夫、きっと」じゃねえよ!って、ちょっと思ったり…笑)

きっと大丈夫ですよね…まだしばらくはつらいことも多いだろうけど、きっと大丈夫だと信じます。

みね子、頑張れ!

ちなみに、愛子さんがまとめ買いしていた石鹸は、澄子が勤めている会社の石鹸(ハラダ石鹸)でした。人気なのね(笑)

あ、あと、世津子さんが実さんを呼んでいた呼び名は「雨男さん」。

(ドラマではちょっと聞き取りづらかったですが、後で字幕で確認しました)

雨の日に出会ったんでしょうね…。

ずっと、仮名と分かっていても、「雨男さん」と暮らしてきた世津子さん。

みね子に、雨男さんの本当の名前を聞いた時、家族のことを知った時、衝撃的で哀しかったでしょうね…。世津子さんもかわいそうだよ……。

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コメント

  1. ハナノア より:

    号泣。
    なんてつらい展開なんだろう。
    いそまるさんのおっしゃる通り、私も記憶喪失予想してたのに、ちゃんと見てしまうと、こんなにつらいものかと。
    よく、記憶喪失のドラマとかで、何かの些細なきっかけで記憶がよみがえりハッピーエンド!よかったね!っていうのを見たりしますが。
    このひよっこではそんな簡単にはいかない気がしてます。
    あっさりな展開も無くはないですが、割りとじっくり丁寧に描いているドラマだと感じているから…。
    家族に戻っていく、葛藤しながらも進んでいくというのをじっくり見せていくのかなぁと。
    丁寧さがここに効いてくるとは!!
    (予想ですけどね(^^;))

    お父ちゃんは、一度雨男としての人生を歩んでしまっているから、そこから実として生きる方向転換も大変なのかなと思っています。
    ひったくりにあって、目が覚めて、記憶がない。
    →目の前に家族。「お父ちゃん!あなたは私のお父ちゃんなのよ!」
    →自分が誰なのか分からない。もがきながら新しい自分になる。
    この二つでは全然違ってくると思うんですよね…。

    世津子さんもつらい。
    あの悲しげな表情が刺さりました。
    でも、黙っておくこともできたのにちゃんと教えてくれて、この人もきちんとした人なんだなって思いました。

    うーん。
    今日がつらすぎて今の時点では暗い予想しかできないけど、予告では笑顔も見られたし、谷田部家が、みね子が、幸せに笑っていられるのを祈るばかりです。

    あまりの展開に思わず長文になってしまいました~。
    失礼しました~‼m(_ _)m

  2. かるび より:

    また泣いてしまいました…。うすうす予想していたとはいえ、画面から目が離せなくなり、涙があふれてしまいました。みね子も世津子さんもつらい…。いそまるさんのレビューを読んでまた泣いてしまいました。どうか、みんなが幸せになって欲しい。

  3. いそまる より:

    ハナノアさん
    予想していても、信じられないほどの哀しさでしたね…。
    確かに、丁寧に描くということがつながっていきそうですね!
    そういえば、和菓子屋の親子関係にもしっかりとして設定や機微を感じるので、「家族」という部分も丁寧に描いているドラマなんですよね。
    今後は、谷田部家の新しい形が丁寧に描かれるのかな…。
    やっぱり、少し切ないです…。

    そう!私も、昨日は、「でも、実さんも実さんで…複雑な気持ちなんだろうし…大丈夫かな…」って思っていました!
    世津子さんと出会って一緒に暮らし始めてどのくらいなのか分からないけど、その間 お父ちゃんはずっと雨男として生きてきたんですよね…。
    優しい部分は変わらないと思うけど、今は「雨男」だったんですよね…。
    そう!(2回目・笑)世津子さん…ものすごくつらかったと思うけど、きちんとみね子とお父ちゃんを会わせてくれましたね…。世津子さんもつらいですよね…。

    そう!(3回目・笑。コメント読みながら書いていると「そうそう!」って思ってしまいます・笑)
    本当に、「どうなるの!?」って思ったけど、予告で 一応笑顔があったので救われましたよね!
    そういうところ、ひよっこの視聴者への優しさなのかな?って感じます。
    今週は本気で目が離せませんね…!今からドキドキです。

  4. いそまる より:

    かるびさん
    大泣きでしたよね…!予想以上でした…!
    何回見ても泣けました。
    あと、鈴子さんと愛子さんが みね子のことを心配しているシーンも、3回目見た時は大泣きしてしまいました。
    本当に、みね子と 皆が幸せでたくさん笑ってくれることを祈っています。
    今週もドキドキですね…!