朝ドラ「ひよっこ」第18週 第106回レビュー

大丈夫、きっと4

今日の物語

世津子の家の玄関

美代子「…谷田部です…お邪魔いたします…」

美代子は頭を下げます。

世津子「…どうぞ…」

みね子「…傘…ありがとうございました…」

世津子「…いいえ…」

みね子は、先日 実を通じて借りた傘を玄関先に立てかけます。

そして、世津子は先に階段を下りて行きました。

不安でいっぱいで、一歩踏み出すことができない美代子。

みね子は「大丈夫…?」と気づかいます。

美代子「…うん…」

世津子の家のリビング

美代子とみね子も階段を下りました。

美代子は、リビングに立っている実を見つけます。

美代子「………」

実は会釈します。

美代子「……分かりませんか…?美代子です…」

実「……申し訳ありません…」

現実を直視し、美代子の目に涙が溢れます。

美代子「……本当なんだね…」

実「…ごめんなさい…」

美代子「…本当なんだ……」

みね子「………」

世津子「…どうぞ…」

世津子は、テーブルにおしぼりやお茶を並べます。

慣れた様子で実が椅子に座り、美代子とみね子も着席します。

美代子にとって、ここは、日ごろの自分たちの暮しでは見ないようなものでした。

スリッパを履き、テーブルに座り、きれいなティーセットでお茶が出されます。

美代子は少し動揺しているように見えます。

美代子は、自分の洋服の袖に 小さなほころびを見つけます。

テーブルの下の方で隠しながら、ほころびを取ろうとしています。

みね子の心『…お母ちゃんは、服のほころびを見つけて、それが嫌で仕方ないみたいです。そのほころびは、全然大したもんじゃなくて…。でも、それが悔しいお母ちゃんの気持ちも、私には分かってしまって、なんだか悲しいです……』

世津子も着席し、口火を切ります。

世津子「…みね子さんから少しお聞きになっているかもしれませんが」

美代子「はい。…谷田部家として、妻として、まずはお礼を申し上げます」

世津子の言葉を遮るようにして美代子は御礼を言いました。

世津子は驚いた顔をします。

美代子「さまよっていた夫を助けていただきました。ありがとうございました。助けていただかなかったら、夫はどうなっていたか、分からなかったと思います。感謝いたします」

世津子は動揺し、目を泳がせます。

世津子「………いいえ……」

美代子「…今日は、夫を、引き取りにまいりました」

世津子「…はい」

美代子「でも…どうしても私には分かりません…。なぜ、2年以上もそのまま…。もし、あなたが病院や警察に届けてくれたら、夫は私たち家族のもとへ 戻ってきたんではないでしょうか…?」

世津子「…おっしゃる通りです…」

美代子「…だったらなぜ…?…この2年半、家族がどんな思いで生きてきたか分かりますか…!?」

美代子は、家から持ってきた家族写真を鞄から出して見せます。

美代子「これが、私たち家族です。これが、夫の父です。こっちが次女のちよ子。これが長男の進…!」

実は、自分が「家族」と映っている写真を見つめます。

世津子は 写真を直視するまで時間がかかりました。

美代子「どんな思いで…どんな思いで私たちが…私たちが生きていたか分かりませんか…!?考えもしませんでしたか…!?」

美代子は声をあらげます。

世津子は写真を見つめ、涙を浮かべます。

美代子「この人に家族はないのだろうか、その家族はどんな思いでいんだろうかと、考えもしませんでしたか…!?」

美代子「この子(みね子)は、いなくなった父親の代わりに、家族に仕送りするために東京に来ました…。この子がどんな気持ちで働いていたか分かりますか…!?その仕送りを…どんな気持ちで受け取っていたか分かりますか!?お金のことだけを言っているのではありません…!!!」

世津子は、涙を浮かべて大きく頷きます。

実「あ…あの!それは私が…!」

実が話そうとした時、世津子が自分の思いを話し始めます。

世津子「出ていってほしくなかったんです…」

世津子「……いけない、間違っていると…思いながら…、いつかはそうしなければいけないと思いながら…、そのままにしてしまいました……。本当に申し訳ありません……お詫びのしようもありません……」

美代子「……」

世津子「……楽しかったです…一緒にいるのが…」

実「……」

世津子「確かにこの人は、谷田部実さんという人なのかもしれません…。でも、ここに来た日からは、名前のない人でした。…雨の日に出会ったので、雨男さんと呼んでいました…。初めて……早く家に帰りたいと思った…。生きてきて、初めて………。そんな時間でした……」

世津子「でも、やはり…許されることであるわけなどなく……、偶然みね子さんと知り合ったのも…そういうことだと思います…」

世津子は立ち上がり、深く頭を下げます。

世津子「今日まで、…本当に…申し訳ありませんでした……!」

美代子「…分かりました…。…こちらこそ…今日までありがとうございました……」

世津子「…はい…」

美代子「失礼いたします…」

美代子は写真を鞄にしまいます。

美代子「…実さん、帰りましょう」

実「……あの、ちょっと待って下さい…!…少し(世津子と)話を…」

世津子「その必要はありません」

世津子は隣の部屋から、小さなボストンバッグを持って来ました。

こうなることを予期し、実の荷物をまとめておいたようです…。

世津子はそれを実に渡します。

世津子「……さようなら…。…もう二度とお会いすることはないと思います。…谷田部さん」

世津子は気丈にふるまいます。

実「……」

実がゆっくりと荷物を受け取った時、世津子の表情がゆがみます。

こらえきれない悲しみが世津子を襲います。

美代子「…みね子、行くよ…。お邪魔いたしました」

ずっと、ただ黙って美代子や世津子を見つめていたみね子。

母に促されて立ち上がり、世津子に向かって深く一礼し、部屋を出ていきました。

一人残った実は、世津子の顔を覗き込むように見つめます。

視線をそらしていた世津子ですが、一度だけ実を見つめ、また視線をそらします。

涙を必死にこらえて顔をゆがめ、小さく首を振ります。

実「………」

実は、世津子に深くお辞儀をし、部屋を出て行きました。

世津子のマンションの前

世津子の家を出た3人は、同じ方に向かって歩きますが、それぞれが少しずつ距離をとって歩きます。

みね子の心『…お父ちゃんとお母ちゃんと、3人で歩いています…。誰も何もしゃべりません。私たちは…これからどうなるのでしょうか……』

つづく

今日のあさイチ受け

今日は、いのっちとやなぎーとゲストの羽田美智子さん(ひよっこで、君子さん役)の3人でスタート!

今日もしんみり…(笑)

いのっち「どうしよう、あれ…」

羽田さん「どうしよう(笑)つらいですよね。美代子が東京で、あんな思いをしてきたって今、初めて見て…」

いのっち「親友だしね」

やなぎー「誰の気持ちになればいいか分かんないんだよ…」

いのっち「そうなんですよ。パパの気持ちになったら、2年間も一緒にいた人…。すごく情があるのに、知らない2人が来て「家族です」って言われても…っていうのもあるし。「やっぱ俺なのか…」って…。世津子さんは、みね子と出会った時に同じ匂いを感じたんでしょうね…お父さんと。だから惹かれる何かがあったのかもしれない…。運命ですね、これ…」

羽田さん「こういうテンションで始まったけど…私、心の奥がおかしくて…(笑)」

右の方を見て笑う羽田さん。

やなぎー「こっち方向でしょ?(笑)」

いのっち「有働さん どこ行ったんですかね~(笑)?」

と、画面が切り替わると、有働さんはスタジオの奥でこんなことをしていた(笑)

しかも、ひよっこの内容で結構泣いてる有働さん(笑)

有働さん「今日は世津子さんの気持ちになっちゃったから~(泣)」

有働さんが泣いたので、いのっちは久々にハンカチを渡していました(笑)

※有働さんが、あまりにも文字で書き起こしづらいことをしていたので(笑)、初めて写真を引用してみました。

今日の感想

今までで一番大泣きしたかもしれない回でした。

まず お母ちゃんが世津子さんに怒ったところ…。

もー……すっごく泣きました!!

お母ちゃんが袖のほころびを恥ずかしいと思う気持ちも、同じ女としてすごく分かります…。

見ているのがつらい描写でした……。

それでも「まずはお礼」を言ったのは、「私は記憶がなくなっていようとも、妻だ。この人と一生を誓い合った妻だ」という気持ちかなと思いました。

そして、母としての思いも。娘に出稼ぎさせているという申し訳なさ、父がいなくなったことで、娘の人生が大きく変わってしまったということへの母としても思いもたまらなかった。

お母ちゃんが世津子さんに悲しみや怒りをぶつけるシーンは、本当に本当に苦しくてたまらなかったです。

その後、世津子さんが話し始め、「初めて早く家に帰りたいと思った」というところで、また大泣きしました。

先日あった2年半前の回想シーンでも「学校に行ってなかった」という世津子さんの言葉がありました。そのあたりの情報から想像すると、世津子さんには家族と呼べる存在がいなかったのかなと思いました。初めて、愛を知ったのかなって。

女優という華々しい世界に生きる人が、ただ家に帰るのが楽しみだったと。

そんな ささやかなことをなくしたくなかったのだと言う。

それが愛以外の何なんだ っていうことを、まざまざと思い知らされ 一層 お母ちゃんを苦しめる。

世津子さんもまた、頭では分かっているものの、「谷田部実さん」という人の家族写真を見ることをためらう。

同じ女として、どっちの気持ちも分かってしまう……。

本当につらいです。

なんでこんな運命なんだよ…!!!!!

そして、ただずっと黙っていたみね子。

みね子は、島谷さんとの初めての恋愛を経験し、お母ちゃんの気持ちも、世津子さんの気持ちも、痛いほどに分かってしまうのだろうと今日気付きました。

全てを失って自分を選ぶと言ってくれた島谷。だけど、みね子は「全てを捨ててはいけない」と、自分から島谷にお別れを言いました。

本当は一緒にいたいけど、相手の幸せや家族のことを思ってお別れする気持ちを経験したみね子。世津子はまさに、みね子と同じ苦しさを抱えています。

そして、「お金持ちのお嬢様になりたい」と 当時つぶやいたみね子。悲しいかな「身分の違い」というものがある現実を痛感しました。

女優・川本世津子の姿、自分たちの暮しとまったく違う暮しをしている世津子と今のお父ちゃん。そこに対して気後れしてしまう母の気持ち。

もともと優しいみね子だけど、恋をして少し大人になった。あの恋があったからこそ、みね子はどちらの気持ちもよく分かると思います。

また、根本的に「人を愛するということ」を、以前よりずっと知っている。

みね子もまた、とても苦しい時間だったと思います。

愛子さんが、良いアドバイスをしてくれていて良かった…。愛子さんのおかげで、みね子は迷わず、自分が支えるべき人を一瞬も見失わずにいられたと思います。

だけど、みね子は最後に世津子さんに深くお辞儀をしました。

言葉にはしないけど、「あなたの苦しい気持ちは分かる。ありがとう」という感謝と敬意だったと感じました。

随分前、お父ちゃんの失踪理由が「記憶喪失かもしれない」と思った時、こういう事態になることが一番怖かった。

けど、「まさか朝ドラでは、そこまでのつらい展開にはしないだろう」…と勝手に思っていました。

けど、やっぱり こういう事態になってしまった。

朝ドラでここまでのことを描くとは………。

改めて 結構びっくりしています。

世津子さん・お母ちゃんの気持ちに引っ張られてしまうけど、いのっちも言ってた通り、お父ちゃん自身もとても複雑だと思うんですよね…。

お父ちゃんにとっては、雨男さんとして生きた2年半が 今の現実の全てなわけで…。

ほんと いのっちが言ってた通り、急に「あなたは谷田部実ですよ。私が妻ですよ。さあ、行きますよ」なんて言われても…………。

悲しいけど、今のお父ちゃんの心は世津子さんにありますね…。

みね子たちに向けては、「家族だと言って、自分のことを思ってこんなに泣いているこの人たちの元に、自分は行くべきなのだろう」という気持ちしかない。

それがまた悲しくてたまらない……。

お父ちゃんにとっては、記憶をなくしてたくさんの恐怖を感じていた 何も持っていない そのままの自分を、支えて受け入れてくれたのが世津子さんだったんですよね…。

お父ちゃんも世津子さんも、どこかで「これでいいのだろうか」と思いながらも、この日々が続いて欲しいと願ってきたのかもしれません。

今のみね子たちは、ありのままの実を受け入れることはできるんだろうか……。

世津子さんとお父ちゃんのシーンは少ないけど、2人が視線を合わせる表情や状況を考えると、この2人に愛があったんだろうと思わざるを得ない。

それが伝わってくれば伝わってくるほど、ますます、誰の視点に立っても残酷すぎます……。

2人の別れのシーンもつらかった…。

それぞれがつらい状況ですが、2年半 雨男さんと暮らしたこの家に 一人残される世津子さんが一番悲しいんじゃないかなと思いました…。

最後の世津子さんは、必死に演じようとしても、演じきることができず、何度も顔をゆがめました。

「雨男さん」と別れ、谷田部実さんを家族に返す。

ああ……つらすぎる……。

そして、お父ちゃんを取り返しても、お母ちゃんやみね子の心は晴れない。

でも、先週の予告では、笑顔のシーンもたくさん映っていましたよね…!

今週 あと金曜と土曜日では、いつものひよっこらしく、温かい優しい展開に持っていってくれるのかな…。

まだまだ100%の笑顔は難しいだろうけど、少しずつ皆に心からの笑顔が増える展開を心から期待しています!!

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コメント

  1. るんるん より:

    今日2回見て、お父ちゃん奥茨城に帰るのかなぁ?って、ふと感じました。今のお父ちゃんには故郷の奥茨城はあんまり居心地いい場所にはならないような・・・勘ぐりすぎかもしれませんが・・・

  2. いそまる より:

    るんるんさん
    今日8/4の放送で、ああいう展開になりましたね。すごい!予想当たっていますね!
    でも、帰らない理由がああいう前向きなものだったので、感動しました。