朝ドラ「ひよっこ」第2週 第12回レビュー

泣くのはいやだ、笑っちゃおう6

今日の物語

夜、東京、赤坂警察署

「出稼ぎ労働者の失踪はよくあること」と言う警察官に、涙を流して必死に訴えた美代子母ちゃん。

ナレーション「この頃、100万人を超えるひとが地方から大都市圏へと出稼ぎに来ていました。一方で、行方が分からなくなる人も増え、その数は1万人を上回ったそうです。世間ではそんな人のこと蒸発人間などと呼んでいました。なんだか、悲しい言葉ですね…」

捜索願の相談が終わり、廊下のベンチに座って茫然としている美代子に、一人の警察官が声をかけてきました。

「茨城」という言葉に反応し、美代子をじっと見つめていたあの若い警察官です。

綿引「あの、すいません。突然お声がけして申し訳ありません。自分は、赤坂署管内の五丁目派出所で巡査をしています綿引といいます」

美代子は、その言葉のイントネーションが自分の聞きなれたものだと気付きます。

綿引「あ…茨城です。高萩の生まれで」

美代子「…」

綿引「すいません。今、上で捜索願を出されてんのを聞いてしまいました。すいません!」

美代子は首を振ります。

綿引「私、御主人のこと、出来る限り捜したいと思うのですが」

美代子「…!」

綿引「さきほどの担当官の許可はもらいました。「そう思うなら、非番の日にやるなら構わない」と言われました。ですから、大したことはできないかもしれませんが…」

美代子「でも…どうして…」

綿引「同じ茨城県人じゃないですか!いばらぎじゃなくて!」

夜、谷田部家

みね子はその頃、聖火リレーのルートを考えていました。

茂「例の聖火リレーか?」

みね子「そう。ねえ、じいちゃん。何人くらい見に来てくれっかね。100人くらい来るかな!?」

茂「まあ、それくらいなら俺が声かけりゃ集まっぺ」

みね子「お?はは!ありがとう!」

ちよ子と進は向こうの机で話しながらお絵かきと宿題をやっていました。

夜、東京、赤坂の街

美代子はトボトボと歩きながら、ふと「すずふり亭」のマッチを取り出します。

夜、すずふり亭

すずふり亭では、今日の営業が終了しそれぞれ片付けをしています。

裏庭では、一番若手の秀俊が兄貴分の元治にいつものように仕事を押し付けられます。

元治と高子は、たいして後片付けもせず座って休憩しています。

店内では、省吾と鈴子が他愛もないことを話していました。

そこに、美代子がやってきました。

美代子「…あの……お忙しい時間が終わりましたでしょうか…」

省吾「なんでしょう?」

美代子「突然すいません…あの…私、谷田部と申します」

鈴子「…谷田部さん…?茨城の?奥茨城の谷田部さん?」

美代子「はい、あの、分かりますか?主人のこと」

鈴子「もちろんですとも!奥様でいらっしゃいますか?」

省吾「ああ!いつぞやは、おいしいおまんじゅうを頂きまして!うまかったです!ありがとうございました!」

美代子「いえ、そんな…こちらこそ…!…あの……」

鈴子「…どうされました…??」

美代子「すいません…」

しばらく後

鈴子と省吾は美代子とテーブル席に座らせ、事情を聴きました。

鈴子「…そうですか…大変でしたね…それは…」

美代子「…」

省吾「…失踪なんかじゃないですよ。絶対」

美代子「え…?」

省吾「いや、だって最初にここにいらした時、ご家族の話を嬉しそうにされてて。ねえ、母さん」

鈴子「そうね。ご家族の話をされる時、幸せそうなお顔をされていました。うちの料理を召しあがって「食わしてやりたいなあ、みんなに」って」

美代子「…そうでしたか…」

省吾「絶対違いますよ」

美代子「…ありがとうございます…!」

省吾「きっとあれですよ。急なお仕事でどこかに動かれて、忙しくて連絡取れないとか、そういうことですよ」

鈴子「そうね…。あ…そうそう…」

鈴子は、店の奥からお重箱を持ってきました。

鈴子「これ…お預かりしていました。今度また寄るからその時までって」

美代子「そうでしたか…ありがとうございます…」

鈴子「…お重…まだお預かりしててもよろしいですか?」

美代子「…え…?」

鈴子「ご主人、いつか取りにいらっしゃるって。だから、その時まで、お預かりしててもよろしいですか?ね…?」

美代子は涙をこらえます。

美代子「はい…お願いいたします」

鈴子「承知いたしました。大切にお預かりさせていただきます」

省吾「あ、奥さん。夕ご飯召し上がりました?何か召し上がりません?うちの料理!」

美代子「いえ、そんな…」

省吾「遠慮なく!」

美代子「…あの…あの…!………主人が、いつか家族みんなでこちらに伺おうって言ってたので…それまでは…私…。…すみません」

美代子は頭を下げます。

省吾「いや、…そんな…」

省吾は複雑な表情を浮かべます。

鈴子「…」

夜、谷田部家

その頃、茂じいちゃんは一人ワラ仕事をしていました。

先に布団に入ったはずにみね子が起きて来ました。

茂「どうした、眠れねえのか?…んだら、手伝え」

みね子「私がやっていいの?」

茂「教えてやっから、手伝え」

みね子「うん!」

夜、上野駅

深夜、人気のない駅のベンチで美代子は電車を待ちます。

酔っぱらった男の声が響くなど、美代子は不安を感じます。

省吾「ああ!やっぱりいた!」

美代子が顔をあげると、鈴子と省吾がこちらに歩いてきました。

美代子「…!」

鈴子「私の勘が当たったね♪♪始発まで駅にいるんじゃないかって!ねえ?」

省吾「「絶対いるから」って。「今から行く」って聞かなくて。この人、一度言い出したら聞かないんですよ~ははは」

鈴子「うるさいねえ、もう♪」

鈴子「お夜食、食べましょ?♪」

省吾「これ、店のじゃないからいいでしょ?♪」

省吾たちは、いなりずしを持ってきてくれました。

美代子「でも…どうして…??」

鈴子「せっかくのご縁じゃないですか。ああ、なんだか楽しい!♪おしゃべりしましょ♪いろいろと♪」

省吾「ははは、話長いですよ、この人、ははは」

鈴子「しつこいねえ、この子は!もう、ふふ。さあ、食べましょ♪どうぞどうぞ♪」

再び、谷田部家

みね子「早いねえ、じいちゃん。器用だねえ」

茂「何言ってんだ。こんなものは毎日やってりゃ出来るようになるんだ」

みね子「私、ぶきっちょだから、細かいこと、下手だ」

茂「…確かに…ちょっとな。ははは」

茂「父ちゃん似だなあ、みね子は」

みね子「そう!?へへ」

茂「おう。ははは」

夜、上野駅

鈴子は、自分の知り合いの話など他愛もないことを楽しそうに話します。

省吾もいなりずしをつまみながら、楽しそうに耳を傾けます。

夜、谷田部家 子供たちの寝室

みね子の歌『丸い地球の水平線に 何かがきっと待っている 苦しいこともあるだろさ 悲しいこともあるだろさ だけど僕らはくじけない 泣くのは嫌だ笑っちゃおう 進め』

みね子は布団に入り、心でひょっこりひょうたん島の歌を歌います。

翌日、夕方、谷田部家

学校が終わり、みね子は一目散に家に向かいます。

息がきれるほど自転車をこいで。

家に着くと、畑で仕事をしている美代子母ちゃんが見えました。

みね子「お母ちゃん!!」

美代子は手をとめ、みね子の元に向かって走ってやってきます。

美代子「……おかえり」

みね子「ただいま。…おかえり」

美代子「…ただいま」

美代子「…みね子……」

美代子の目には涙が溢れています。

みね子「…はい」

つづく

今日のあさイチ受け

今日は土曜日なのであさイチの放送はありませんでした。

今日の感想

今日も泣きました。結構泣きました!

ひよっこ…すごくいい…!!!良くないですか!?

こんなに序盤から「やさしさ」で泣くドラマはなかなかない!と思います。

すずふり亭の鈴子さんと省吾さんが本当に優しい(´;ω;`)

東京で「出稼ぎ労働者はよく失踪する」ってひとくくりにされて、ろくに取りあってももらえないこと続き。

家族にとっては、家族が一人いなくなるなんて大変な事件なのに…!

そんな中で心が折れそうだった美代子母ちゃんへの省吾さんの「失踪なんかじゃないですよ。絶対」という言葉!

「普通の声のトーン」で言ったところが尚更 胸に染みました。

美代子母ちゃんに対して優しいだけじゃなくて、「出稼ぎ」とくくらないで「谷田部実さん」という人をちゃんと見て、話して、知ってくれている人がいるということも、きっと美代子母ちゃんはとても嬉しかったと思います。

お重をまだ預かりたいという鈴子さんの申し出も感動しました。

実父ちゃんは絶対約束を守る人だもんね。必ずまた来るもんね。

そして美代子母ちゃんの「主人と、家族といつか来るまでは」という言葉!

感動しました。

省吾さんも鈴子さんもきっと嬉しかったと思います。状況が状況だけに、少し複雑な顔になってたけど。

気が早いけど、ここに皆でくるシーンが早く見たいです。

で、極めつけの上野駅のシーン。

優しすぎて…!!(´;ω;`)

酔っぱらいの声とかが聞こえて、美代子母ちゃんは一人すごく怖かったと思います。

荷物をギュっと持ったりしてたし。

そんな時にあんな優しい笑顔で2人が来てくれて…!思い出しても泣けてきます。

駅に一人でいたら怖いだろう・不安だろう…とか、いらぬことを考えて余計につらくなったらかわいそうだ…と思って来てくれたんでしょうね。

「おしゃべり好き」なんじゃなくて、あえてどんどん他愛もないおしゃべりをしてくれてたんですよね、きっと。

一緒に来てくれた省吾さんも優しすぎる!男の人がいてくれるだけで心強さ倍層ですもんね。

本当に心優しい2人に感動しました。

手がかりは結局なにもつかめなかったけど、茨城出身の警察の綿引くんが捜してくれるというだけでも良かった。

来週の予告…警察の取り調べ室みたいなとこで、実父ちゃんらしい人がいたように見えました……。ドキドキする…!!!

みね子は、お母ちゃんのこと・お父ちゃんのことにものすごく不安を抱えていたと思うけど、「普通」にしてましたね。

省吾さんの声のトーンもそうだけど、こういう時に「普通」というのがすごく大切だなって思いました。

前作「べっぴんさん」であった「淡々と」…ですね。

べっぴんさんでは「淡々と」がすごく心に残っています。

今日はそんな回だったように感じました。

じいちゃんとみね子のワラのシーンも淡々としてて優しかった。

ラストシーンも良かった。みね子の演技いいですね。

なにこのドラマ…。なんかどのシーンも「いいなあ…」「うまいなあ…」って思わされます。

東京から帰ってきたばかりなのに、畑仕事を頑張る美代子母ちゃんにちょっとびっくり。

私なら「今日はもうくたびれた…ねる…」って言って爆睡してしまいます(笑)

「あさが来た」でも、はつお姉ちゃんが畑仕事にお休みはないみたいなこと言ってましたもんね。大変だなあ…農家さん…。

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コメント

  1. ハナノア より:

    私も思いました!
    上手いなぁって。
    泣かせようって魂胆ではなく、優しさや愛情を丁寧に描いてるからこその感動や共感だと思いました。
    朝から号泣です。
    みね子のひょっこりひょうたんじまの歌とか。
    お母さんの「みね子…」という言葉。
    あぁ。思い出すだけで涙が…。

    あの取り調べ室の人、実さんでしたよね??
    来週も気になる~!

  2. いそまる より:

    ハナノアさん!
    「泣かせようって魂胆ではなく、優しさや愛情を丁寧に描いてるからこその感動や共感だと思いました」という部分…!おっしゃる通りだと思います!なかなかこういう感動は味わえないと思います。ひよっこ…すごい…!
    ひょっこりひょうたん島の歌も泣かせますよね…相変わらずいい歌詞…。
    そう!お母さんの「みね子…」のシーン!言葉は「おかえり」「ただいま」「みね子」「はい」だけだったのに、すごくぐっときましたよね!
    私も思い出すだけで涙が出そうです。昨日寝る前も、夫にひよっこのことをずっと力説していました(笑)

    取調室…実さんに見えました…!
    でも、実さんにしてはガクっとうなだれているというか…イメージが全然違う雰囲気でしたね…。
    一体なにがあったのか…ほんとに早く知りたいです!!