朝ドラ「カーネーション」を再放送で初視聴。不定期で感想を書きます。
初見&予備知識いっさいナシなもので、2度目の視聴をされている方からしたら「それ違うよ~」「その予想間違ってるよ~」などツッコミたくなることもあると思いますが、お許し下さい(笑)
第91話「揺れる心6」
あらすじ
千代に「毒気を抜かれて」以来、北村(星田英利)は素直になってしまった。開店が近づき、残業しようとする糸子(尾野真千子)だが、周防(綾野剛)に勧められて組合の月会合に出る。戦争で焼かれたものは戻らない、時代を切り開け、と語る三浦(近藤正臣)。北村、周防、それぞれが抱えているものに思いをはせる糸子。帰り道に周防への切ない思いをかみしめる。開店の朝、美しい洋服姿の糸子は、ある決意を固めていた。
(YAHOO!テレビGガイドに掲載されているあらすじを引用)
感想
戦争で失ったもの
会合に出た糸子が、今は飲みの席で楽しそうにしている組合長の三浦さんや北村さんや周防さんの向こう側に思いをはせるシーンが良かったです。どんな経験をしたのかはお互い知らないけど、みんな、戦争で多くのものを失いました。みんな元気そうに前を向いて必死に生きているけど、想像もできない悲しみがあったんだろうと思うし、それはドラマの中のことだけではなく、現実にそういう世の中であったことはやはり考えさせられます。もちろん、こうして今 皆を思いやっている糸子にも、失ったものがたくさんありました。
糸子の寂しさ
戦争時代を経て多くのものを失った糸子が、戦争中に亡くなった皆を思い返すシーンは泣けてきました。
糸子のモノローグ「うちは恋しいんやな…。うちは、お父ちゃんが好きでした。勘助がかわいいてしゃあなあて、泰蔵にいちゃんに憧れてたし。勝さんを大事に思ってました。そういう人らを全部亡くして、開いたでっかい穴のところに、えらい人が入ってきてしもた…」
どんなにつらいことがあっても自分の足で必死に歩いてきた糸子の誰にも見せなかった弱さと、いつの間にか心惹かれ糸子の心のよりどころになっていた周防さん…。切ない……。糸子が自分の寂しさを理解し、これまで否定しようとしてきた周防さんへの恋心を確信しました。初めての糸子の恋がこんな形なんて。普通、ヒロインの初恋っていうと、こちらまでワクワク・ドキドキさせられる楽しいものなのに、とても切ないです。糸子のことが大好きだから余計に切ない。糸子がちゃんと恋をしてこなかったことが、こんな形で意味を持ってしまうとは、本当に複雑です。
糸子の「けり」
糸子のモノローグ「泣いても笑ってもうちの仕事は15日まで。そこまでは余計なこと考えんと頑張っちゃろ。何が何でもこの人らの開店を成功させちゃろ。それができたら1個だけ自分に許そうと思ってることがありました。それは、悔いの残らへんように自分の気持ちにけりつけようっちゅうことです。」
糸子の言う「けり」ってなんだろう…?と少し緊張しながら、北村さんの店の開店当日。糸子は開店祝いだと周防さんに花を渡しました。「この花の花言葉が、今の糸子の心情を表していて、そっと伝えることが糸子の「けり」なのかな」と思いました。でも違いました。糸子はハッキリと、自分の気持ちを伝えました。伝えたから何かを望むとかどうするとかじゃなく、ハッキリただ「伝える」ことが糸子の「けり」でした。驚きました…言葉を失いましたが、同時に「ああ、私の大好きな糸子だ…」と思いました。
(渡した花の花言葉も意味がありそうには思うのですが、花の種類に疎い私には、なんの花か分からない…^^;)
ここからは、呼吸するのを忘れるほどでした。
糸子「無事開店おめでとうございます。」
周防「ありがとうございます。(糸子の洋服に気付き)あれっ……よう似合っとうですよ」
糸子「…周防さん。うちは今日でしまいです。最後に言わせてください。好きでした。ほんなけです。ほなさいなら」
周防「(糸子の手をつかみ、抱きしめる)……おいもです。…おいも好いとった。…ずっと……」
出勤してきて、抱き合う2人のやり取りをガラスごしに見てしまった北村さん。その表情を見て、この人もまた糸子を好きだったことに気付かされました。
もう全てが…なんというか…信じられない展開で…切なくて呼吸を忘れていました。
(このまま次の92話の放送に入るので、再放送2話構成ありがたい…!→92話の記事)
糸子と洋服
そしてこの時、糸子は初めて自分のために洋服を着て出かけました。糸子がこれまで洋服を着なかった意味を少し感じとれた気がしました。糸子にとって洋服は、私たちが考える以上に神聖なものなのかな…。ここについては、この次の92話の感想でも触れたいと思います。
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拍手お返事
Aさん…糸子は最近の方が声が低いし、しゃべり方もいい感じに「関西のおばちゃん」感が出てると思います。ほっしゃんの、抱き合ってる2人を見るあの表情には驚かされました。役者さんってほんとすごいですね。(ほっしゃんは芸人だけど、結構ドラマに出演されてるのも頷けます)
Kさん…「mother」は、なんか苦しくなりそうで見てませんでしたが、チャンネルを回した時に少し見たシーンが今も印象に残っています。虐待していた若い母親にも苦労があった…というようなシーンでした。ママ友の集まりがあり、パンの耳をあげたオヤツを持参したら、他のママたちは豪華でおしゃれなお菓子を持ち寄っていて、恥ずかしくなってそれを鞄から出さなかった……とか、学生時代の仲間を会おうとしたら子供が熱をだして行けなくなった…とか……。ものすごく切ないシーンで、パっと観ただけなのに苦しくて涙が出てきたことを覚えています。あれ…小野真知子さんだったんですか…!?しかも綾野剛さんも出てたんですか。多分、ちらっと彼氏がいるシーンも観たはず…。なんか縁があるお二人なんですかね。
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