朝ドラ おちょやん第72話~75話感想 テルヲと千代

時間がうまくとれず、体調不良も重なって、火曜日から感想が書けずに週末になってしまいました。まとめて今週の感想を書きます。

テルヲの死

金曜の放送でテルヲが亡くなりました。どうしようもないやつでした。

テルヲが死ぬ時、私はどう思うんやろう?千代はどう思うんやろう?そんなことを考えながら観ていた今週でしたが、金曜は、涙の理由もよくわからないまま、ただボッロボロ泣いていました。

感じたものをどう言葉にしたらいいものやら、そもそもなぜ泣いたのか、自分でよく分かりません。もしかしたら千代もそんな気持ちやったんかな。

今までのことを許すとかやっぱり許されへんとか、そこだけを重視するストーリーではなかったなと思います。許せるもんなら許したい気持ちも、やっぱり許せへん憎くてしゃあない気持ちも、いい父親ではなかったものの一緒に過ごした思い出も、家出てからもやっぱりろくでもないと落胆させられた記憶も、全部ひっくるめてそれがテルヲやった。ボロボロで、臭くて、かっこいいところをひとつも見せられん。それ以上でもそれ以下でもなく、それが千代とテルヲやった、という感覚を受けました。

今まで家庭劇で演じたお芝居のような感動的なラストが待っていて「お父ちゃん…!」「千代…!」と抱き合えるわけでもない。かといって「許せへん。あいつがどうなろうが知らん。興味もない」と突き放せるもんでもなかった。「親子であること」のしんどさと情とが交じり合っていた。そんで、それが一番リアルに思えました。

みつえちゃんが千代を想ってテルヲにくぎを刺した時、「千代はええ友達がいるな」とテルヲは言いました。そんなん、岡安で働いてた時からそうやったわ。お風呂帰りにお茶子仲間が千代を必死に守ろうとしたあの晩の時に、なんでそう思えへんかったんや。なんであの晩に心が動かへんかったんや。もっと早くに改心してたら、もっと違う人生があったかもしれんのに。

めちゃくちゃ腹が立つんですけど、あのテルヲが千代の幸せを願うように変わるためには、自分の命の終わりが見えると現実が必要やったんですね。あほやな…あほすぎて悲しい。逆に言えば、自分の生きる欲望がなくなった時、テルヲの中に最後に残ったのは千代の存在やったということですよね…。そんなテルヲが最後に見た幻は大泣きでした。(ヨシヲの存在がちょっと薄いな…と感じざるを得ませんが、男親はほんまに娘が特別らしいと聞きますからね…)

千代がテルヲと会った帰りに見たご近所家族のあたたかい姿は切なかったです。まだサエお母さんが生きていた頃 ただただ幸せだった頃の数少ない記憶か、もしテルヲがもっと早く変わっていたらこんな思い出もあったかもしれないという叶わない願望なのか、千代はあの家族の姿にどちらを重ねてたのかな。ドラマの本筋に関係のない通りすがり的家族を見つめるあのシーン、たまらなかったです。

このシーンは、道頓堀に出てきた幼い千代が夜のにぎやかな街を見つめるシーンを思い出しました。千代の寂しさを表すシーンの作り方めちゃくちゃうまいですよね……。ぐっときます…。誰の人生にもこういう瞬間って…ありますよね…。

テルヲという存在

この腐れ親父をどう描くのか。おちょやんにおいて最も気になるところでした。びっくりするくらい良いところがない父親が描かれて、「この先 一体どうするつもり…!!??」と本当に驚かされてきましたが、なんやろ…この形で「親子」っていうものを突きつけられた気がしました。考えさせられると言うのかな…。

親子って、ほんまに「親のここが嫌いやわ~!」とか…ありますよね。介護等でしんどくてしんどくてしゃあない関係にもなるし。世間的にはそれも全部寛容に受け止めなさいと言われてるようなところもあって、でもそんな簡単なもんじゃなくて。そういう、一番最小の単位である家族の、外の人間からは見えない当人たちの複雑に入り組んで構成されてる気持ちや関係を、とことんまっすぐ描いたんやなって思いました。

そういういろんな気持ちを救い上げてしまうのが「死」なのかな。火曜日か水曜日、千代がテルヲについて「憎いとか通り越して、冷たい干からびたような気持ちしか残ってない」みたいなことを言っていましたが、「死」も同じようなことが言えて、憎い気持ちもあきれ果てた気持ちも、消えたわけじゃないけどあったかいもんで包まれてしまうようなところがあるんかなって思いました。どんだけ憎くてたまらんかった相手も、仏様になったら、それまでと同じように憎み続けられへんのが人間の情なんですかね。心の底に染み渡るような、突き刺さってくるような不思議な感覚でした。

テルヲの声

しんみりする空気を、ラストのテルヲの声で笑ってしまう空気に変えたのは、すごかった。こう来たか~!!でした。(トータスさんの声が良すぎて、新曲かなと思った・笑)

何回もほんま腹立ったしほんま憎たらしいし、けどしんみりさせられて。けどいつもの調子の元気なテルヲの声が聞こえてきたら、なんかもう愛嬌やなつかしさやあっかたいもんを感じてしまう。それがテルヲの小憎たらしくてかわいくてたまらんところ。んーーー……うまい演出やなぁ!!ほんまにっ!!!!!(泣笑)

そしてここまで見届けて、やっぱり、トータス松本さんをキャスティングした巧さをとことん実感しています。ほんっまに、悔しいくらい憎みきれへんテルヲという人物を、これ以上ないと思えるくらいのハマリ役で演じられたと思います。すごかった!!!!!!

みんなの存在

後半は、千代のまわりの人たちの存在が効いていましたね。誰かの死を迎えた時に「周りの人の存在」は結構重要ですよね。一緒に話せる人がいると、一人でいるより心に元気がもらえる。テルヲが皆に頭下げて回ってなかったら、この展開は無かった。もちろん親を亡くした千代に皆が気を遣うという展開はあったでしょうけど、こんな風に皆でテルヲの話をしてしんみりしたり笑ったりはできませんでした。テルヲ唯一のありがたい置き土産、ですかね。

テルヲが臭いのか臭くないのか、ドラマ上 いまいち曖昧に表されてるな~と思いながら今週を観てたんですけど、関係ある人たちは皆、我慢してくれてたんですね。そう思って振り返ると、臭い問題も実はほろっと泣かせるエピソード…。

一平が撮ってくれたテルヲの写真。テルヲと言えば、というくらい大口で笑ってる写真。も~相変わらず小憎たらしい、小憎たらしくて涙が出てくる。

今の千代があるのは、テルヲがテルヲやったゆえ、ですよね。テルヲがいいお父さんやったら、今の千代はいない。みんなとの出会いもない。それも現実なんですよね。全部ひっくるめて、やっぱり親子であることは「赤の他人です」と片づけられない見えない縁・しがらみが消えませんね。

まとめ

はあ……大泣きしたなぁ…。せめて千代の舞台は見せてほしかったなぁ…。現実は舞台のようにはいきませんでしたね…(いや、これもドラマなんやけど…笑)。おちょやんらしいです。

テルヲに面会に行った千代は、奉公に出た時の着物を着ていました。ヨシヲに会う時もそうでしたよね。千代がそれを選んで着るシーンはドラマ内では省略されていますが、やっぱり千代なりに思うところがあってその着物を選んで着ているようですね。着物を通じてドラマとしては描かないところの気持ちも表現されていて、細部まですごく大事に制作されてるなと思います。

あと「朝ドラでは、主人公を応援するいい親がいて」というあるあるをぶった切ってるなとも思います。最近「朝ドラあるあるをあえて変えていく!」的な考えで作られてる作品や演出も多いように思うんですけど、おちょやんは自然にあるあるをぶった切ってますよね。ぶった切って新しいものを作ろうとしてるというより、描きたいものを真剣に描いたら結果「あるある」とは違うものになってた、みたいな。私はすごく好きです…。かと思えば、あえて「あるある」を入れてきて、それをナレーションにいじらせてみたり…(笑)いつもと違う切り口と匙加減が心地いいです。

これで、ずっと気になっていたテルヲのエピソードが終着。いろいろ考えさせられるような終着点でもありましたし、受け止め方は人によるかもしれないな~と思いました。少なくとも私は、信頼して観てきてよかった!と思えました。物語は大きな区切りを迎えましたね。来週以降も楽しみです。

そうそう、これも言わないと。杉咲花ちゃんの言葉数が少ない演技も、感情を乱す演技も、素晴らしかったです。

今日はこの辺で感想を終わろうと思います。

拍手メッセージですごくいいご感想があったので、引用させていただきます。

>テルヲが再び千代に会いに来た目的ですか。 おそらく「千代の幸せを願っている事」を伝える為でしょうね。 許して欲しいという意味ではなく、千代が一番欲しかった「親に気をもんで欲しい」という思いに、死ぬ前に答えてやりたいという事ではないかな。 それを持って「親は子供の幸せを願うもの」という千代のセリフが完成するのではないでしょうか。

「親は子の幸せを願うもの」がここで完成する…というのは気づきませんでした。ほんまですね。かっこよく感動的にそれを実行できる親もいれば、テルヲみたいにかっこよく決まらない親もいる、ですね。もっと早くそれに気づけ!バカテルヲ!(笑)←こういう憎まれ口も今までと違う気持ちで言葉になるのが「仏様になる」なんでしょうね…しみじみ。

他にもメッセージを下さった方、ありがとうございました。すべて楽しく読ませていただきました。ありがとうございます。

今日も最後まで読んでくださってありがとうございました。では(^^)/

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