俺の家の話が名作だった(ネタバレだらけ)

今期の民放ドラマは、「俺の家の話」と「天国と地獄~サイコな2人」の2本だけ見ていました。昨日、TBSドラマ「俺の家の話」も最終回を迎えました。

最高すぎた………!!!!!!

本当にすごくて、言葉を失うほど震えたので、感想を書きます。

ネタバレを含むというか、ネタバレしかないので、知りたくない方はご注意ください。

まさかまさか……最終話冒頭から主人公が死んでいたなんて……!!!!

冒頭、いつも通りの食事シーンから始まり、「今日も平和な日々。うれしいな…」と思うところからスタートしました。しかし、なんだか暗い皆、寿三郎の遺言書を破棄しようとするくだり、『ちょうど』な本数のアイス、少しずつ覚える違和感。けど、違和感の正体は一切分からない。

公演の日、「あれ?寿一が演じるはずなのに、なんで寿限無が準備してるの?」の大きな違和感。「みんなが、ご愁傷様ですって言うんだけど。誰か死んだ?」という認知症をわずらう寿三郎の言葉。少しずつ積み重なっていた違和感が線でつながった瞬間、ゾクっと体が震えて、言葉を失いました。

そして、ドラマ上で正式に「寿一さんは亡くなった」と語られる。

なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!

ラストは「これは俺のいない俺の家の話だ」という寿一のモノローグ。素人がこんな風に言うのはおこがましいですが、物語として隙がなく完璧だ と感じました。

全体を通してコミカルを徹底していたこのドラマが、まさかこんな最終回を迎えるなんて思いもしなかった。震えました。しかも、こういうすごい展開で表されているものが、まったく押しつけがましくなく、心にしみこんでくるように実直でした。クドカンさん、そして役者の皆様のお力をひしひしと感じました。

伏線を考えるのも野暮な気もしますが、やっぱり気になってしまうので、思いついた伏線を整理しておきます。

褒められたことがない

1話からずっと寿一によって語られてきた「父親に褒められたことがない」心のしこり。最終話で一番のキーになっていました。「褒めたら終わってしまう」と寿三郎は語りました。褒めたら成長が止まってしまうという意味でしょうか。そして「人間家宝だ」と父からの初めての究極の賛辞を受けた寿一の人生が終わりを告げました。

何度でもやり直せばいい

最終話直前のラスト、2度目の引退試合を迎える寿一に対して、長州力さんが「何回引退しても何回もカムバックすりゃいいんだ」と言っていました。最終話のラストにて「戻りたくなった時に戻ってきている寿一」にかかっている言葉だと思いました。思えば寿三郎も病に倒れても何度もよみがえっています。

寿一のケガに気づいた人

寿一がケガをした時(靭帯が切れたんでしたっけ??)も大きな伏線になっていたと思います。寿一自身は自分のケガに全く気付かなかった。気付いたのは寿三郎と長州さん。この2人は、自分が死んだことに気づかない寿一と、寿一の姿が見える寿三郎と長州さん、の構図と似てました。

お葬式

家族で撮った写真、お葬式の準備、テレビ通話の記録。寿一が寿三郎のためにやったことが、全部 寿一の死後の準備になったというのも衝撃的でした…。お葬式の準備に関しては、「右に面 左に装束」が、そのまんま覆面レスラーだった寿一に適用されるという…すご…。

最終話直前の違和感

最終話直前の回のラストでは、自分を俯瞰で見るもうひとりの寿一の姿が出てきました。急に非現実的な表現を入れてきたので不思議でしたが、あれは能とおりまぜて非現実的なものを描く最終話への布石だったのかなと思います。

また、同じく最終回直前回のラストの寿一のモノローグ。「奇跡は一度しか起きない」(セリフは違うかも。そんなニュアンスの言葉)で「寿三郎の死か…」とミスリードさせておいての最終回。まんまとそっちにミスリードされました。

「家族を大切に」

年老いた寿三郎の介護がメインテーマのドラマだからって寿三郎が死ぬとは限らない。人生においては確かにそうだ。けど、誰もがこのドラマの展開はそういう展開だと予想していたと思う。私もそう思い込んでいた。それ以外を考えもしなかった。そんな(きっとほぼ)全員の思い込みを裏切ったこのドラマはすごい。順番通り・予定通りに生死があるとは限らない。思い込みを大きく裏切られて突きつけられるあまりにも悲しい展開に、最終回のサブタイトル「最後に皆さん、家族を大切に!ぜあ!」が胸に響きわたった。

「伏線回収して」

介護施設の末広さんが、認知症が進行した時には何かしら理由があることも多いとして言った「伏線見逃してない?伏線回収して」。これも最終回をもって振り返ると、まるで視聴者に向けて言っていたようです。見逃してたよ!伏線!

コミカルなんだかシリアスなんだか!作り手の手の平で笑ったり悲しんだり驚愕したり、気持ちよく踊らされました。

私が気づいた伏線はこのくらいかなぁ…もっとありそうですよね。気づいた方いたらぜひ教えてください。

あと、伏線とはちょっと違うけど、本当によくできていて感動したところ。

ひっかきまわした長男

25年ぶりに実家に帰った長男が、一年間だけ家族とともに暮らし、ひっかきまわし、いなくなった後はそれぞれがおさまるべきところにおさまった。それだけの話。

たしかにそう。寿一がいたことで寄り道したけど、踊介とさくらは初めから恋愛関係になって結婚したかもしれない。

けど、親に期待される能と自分のやりたいダンスに迷っていたダイスの背中を押したのは寿一だった。能の才能があったヒデオが、能と結びついたのは寿一が実家に戻ったからだった。生死をさまよった寿三郎をこの世に引き戻したのは世阿弥こと寿一だった。寿一と寿三郎が好きだった能とプロレスを結び付けたのも寿一の存在があったから。

「おさまるべきところにおさまった」と言われればそうも思えるけど、やっぱり寿一がこの家に戻ってきた1年があったから今がある、とも言える。けれど寿一自身は、さくらの言葉通り「どこまでも自分がない」。彼の1年はまるでこうなることを知って動いていたかのような、家族のための1年だったようにも思えてくる。だけど、もちろん寿一にも感情があり、日々悩みながら生きていたことを視聴者は知っている。不思議な気持ちになるモノローグだった。

認知症を扱うこと

認知症、介護。非常にテーマが重くて、第1話を見たとき、正直この先見るか迷いました。勇気が持てない自分がいました。けれど、クドカンならでは(と、語れるほどに私はクドカンさんを知らないのですが)のコミカルな部分が非常におもしろく、そこに支えられて最終話までしっかり見届けることができました。それくらい重いテーマ。

けれど、寿三郎は要介護1~3をいったりきたりしながら、最終話でも元気に過ごしていた。決して介護がテーマではなかったんだと思う。「皆さん、家族を大切に」。これが本質だったんだろうな。

介護に関しては舞が言った「結局続くわけだけど、介護。時々言っちゃいけないことも吐き出しながらやれるといいよね」なんだと思う。決して簡単に美談にできることじゃないと思うし、美談にする必要もないんじゃないかな。私はまだ直接的な介護の経験がないので、想像しかできないので、実際経験している方のしんどさは分からない。けど、「言っちゃいけないことだってちゃんと吐き出していいんだよ」というのは、実際に必死に頑張っている人たちに少しでも寄り添おうとする言葉なんじゃないかな。(そして、ここでも言えることは、舞たちが「吐き出しながらやっていこう」と家族で笑い合える今があるのも、やっぱり寿一の存在が必要不可欠だったという事実)

また、認知症についてはもうひとつ。寿三郎には寿一が見えていた。けれど周りは、最後の最後までそれを「認知症だから」と思って見ていた。認知症になってしまった人の目には、もしかしたら周囲とは違う世界が見えているのかもしれない、このドラマはそういう可能性も見せているのかなという気がしました。

介護する側にも、介護される側にも、両方に寄り添おうとしていたように思います。一般的にドラマや映画では描かれない切り口で。

長瀬さんの引退

そして、このドラマをラストとして3月でジャニーズ事務所を退所される長瀬智也さん。ドラマのラストは、そんな長瀬さんを重ねてしまうところもたくさんありました。

「褒めたら終わっちゃう」や いなくなった寿一は、長瀬さんが表舞台から消えてしまうのかもしれないという現実のファンの寂しさが重なります。「何度でもカムバックすればいい」は、周囲から長瀬さんに向けたメッセージが込められている気がします。

ドラマ内には今までの長瀬さん主演ドラマの共演者やネタが結構登場していたようです。(そこらへん、私はウトいのですごく悲しい…。全部知っている人は本当に感慨深いものでしょうね…)

けど、全然「内輪ネタ」のようには感じませんでした。すべてが本当に素晴らしかった。

まるでもともと長瀬さん引退に向けてのはなむけとして制作されたようなシンクロ度合いでしたが、あくまで制作途中で引退が分かったことであり、それによって物語を変えたわけではないそうです。なのに、こんなにもいろんなことがシンクロし、内輪ネタにならずに純粋に人を感動させたというのは、なんだか奇跡を見ていたかのようです。

まとめ

寿一と寿三郎の別れのシーンは大泣きでした。2人とも本当にすごい………。長瀬さんの演技がもしかしたらもう見れないのかも、と想像すると、本当に惜しいです。西田敏行さんの涙の演技にも震えました。やっぱり素晴らしい俳優さんだと実感。まだまだたくさんの作品を見せていただきたいので、お元気でいてほしいと願います。

他の皆さんも本当に素晴らしかった。皆さんのプロ意識によって、素晴らしいものを見せてもらいました。感謝しかありません。このドラマは名作だと思います。

見終わった後の心境は、まさに「スタンディングオベーション」。心の中で拍手がなりやみませんでした。

長くなりましたが、今の気持ちを書かせていただきました。時間的に感想を書くのがちょっときつかったんですが、拍手メッセージで「いそまるさんと、そちらの話(俺の家の話)も出来ると楽しいだろうなぁと思います」と書いてくださっていた方がいて、「私もしたいです!!」と思い(笑)、いっきに書きました。きっかけをくださったHさん、ありがとうございます♪

それではこの辺で終わりにしますね。最後まで読んでくださってありがとうございました。では(^^)/

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